プログラミング教育ってなに?なぜ小学校で必修化するの?~目的や実践例についてもご紹介~

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2020年度から始まる小学校での「プログラミング教育」。
2019年の今、「プログラミングって難しそう…」「そもそもプログラミングって何?」など、不安に思うパパやママも多いのではないでしょうか。
そこで、4~6歳のお子さんをもつパパやママにアンケート調査(※)を行いました。

結果を見ながら、プログラミング教育が始まる前に知っておきたい、目的や学習内容などについて紹介します。

※アンケート調査: モニプラファンブログ「学研の幼児ワーク」編集部調べ(2019年4月実施/147名回答)

目次

「プログラミング教育」についてどのくらい知っている?

まずは、2020年度から小学校で必修化されることについて聞いてみました。

Q:必修化されることは知っている?知らない?

Q:目的は知っている?知らない?

Q:学習内容は知っている?知らない?

2020年度から小学校で必修化されることについては「知っている」人が多いのに対し、目的やどんな学習内容なのかは「知らない」が多い結果となりました。

プログラミング教育とは?

では、「プログラミング教育」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

2020年度からの新学習指導要領に盛り込まれたもので、コンピュータに意図した処理を行うように指示(プログラミング)する活動を通して、「プログラミング的思考(※後述)」を身に付けるための学習活動です。

今後、教育現場でもIT技術を積極的に活用しようという動きがあり(教育のICT化)、タブレットやパソコンを用いて授業が行われるようになります。

小学校での実践例

小学校の教育課程内でのプログラミングは、教科として取り組むまれるわけではありません。
学習方法は、以下のように分類されます。
※2019年5月時点 文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」より

  1. 各教科の中で、学習指導要領に基づく内容の学習に用いる
  2. 学習指導要領に基づかないが、各教科の中での学習に用いる
  3. 各教科とは別に実施するもの(プログラミングの楽しさを味わえる題材などでプログラミングを体験するなど)
  4. クラブ活動など、特定の児童を対象として行うもの

1の例であれば、「すべての辺の長さが等しく、すべての角の大きさが等しい」という特徴をもとに、プログラミングで正多角形を作図する授業例などが紹介されています。

正三角形の作図プログラム例

※ビジュアルプログラミングソフト「Scratch」でプログラムしてみたもの。(プログラミング言語は使わず、ブロックを組み合わせて学習。視覚的にわかりやすいので、小学校でもビジュアルプログラミングの使用が想定されています。)
ねこのキャラクターがペンの代わりをしています。左が実装したコード、右が実行された結果です。
スタートさせる(緑の旗を押す)と、描画が開始され(ペンが下ろされ)、「200歩進んでから120度回転」を3回くりかえす、という指示をしています。(1角は60度なので、ねこが動く角度は120度になります。)

プログラムを一部変更すれば、手作業で書くことが難しい正多角形も(正10角計など)、容易に作図することができます。

このように、人間には実施困難なことも、コンピュータに指示すれば実現できるという点に気づくことも、狙いのひとつです。

その他、1、2の実践例に関して以下のようなものがあげられています。

理科(6年生)

「電気」の学習において、身近な電気製品の構造に触れながら、電気利用のプログラムを理解する。

音楽

3~6学年の音楽の授業で、リズム・パターンを組み合わせた音楽制作を、プログラミングを用いて行う。

図工

表現したいものを、プログラミングを使って描くことにより、新たな発想や構想を生み出す。

各教科で創意工夫し、様々な取組を実施することが考えられます

小学校で必修化される理由・その目的

ITC化が進む今の時代、スマホやパソコン、あらゆる電化製品やサービスに、コンピュータが使われています。
コンピュータを適切に、効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることが重要です。

学習指導要領には、理由として以下の3つがあげられています。

プログラミング教育の3つの目的

  1. 目標達成への道筋を、試行錯誤しながら論理的に考えていく「プログラミング的思考」を育むこと
  2. プログラムの働きを知り、現代社会がコンピュータ等の技術によって支えられていることに気づくこと
    またコンピュータ等の技術をさまざまな問題解決に活用し、よりよい社会にしようとする態度を育むこと
  3. プログラミングを用いて、各教科の学びをより確実なものにすること

1.の「プログラミング的思考」とは、問題を発見してから解決に至るまでに行う、「必要な動作を分けて考える」「必要な動作に対応した命令を考える」「命令を組み合わせる」といった行為を、論理的に考え、何度も試してやり直しながらことをさします。

この思考力は、将来どのような職業に就くとしても求められるものとなるでしょう。

これからを生き抜く子どもたちに、論理的に考えられる力、問題を解決する力を、「プログラミング教育」によって養ってほしいというのが、必修化の理由であり目的なのです。

みんな気になる!プログラミング学習

世間ではどのくらいのパパやママがプログラミング学習に興味を持っているのでしょう。
今回、以下のアンケートにもご回答いただきました。

Q:小学校入学前(幼児期)からのプログラミング学習について興味ある?

約95%が少しでも「ある」という回答結果に。

「プログラミング教育」が小学校で必修化となる目的や学習内容を知らなくても、パパやママはプログラミング学習について考えていることがよくわかります。

「幼児期のプログラミング教育に興味がある」かたに、その理由をうかがいました。

Q:「とてもある」または「ある」または「少しだけある」と答えた方、ご興味があるのなぜですか。(複数回答)

「なにごともやらせてあげたいから」が一番多く、次いで「(プログラミングで身につくという)論理的思考力を身につけてほしいから」、「将来ITに強くなってほしいから」というものでした。

また、興味があるかとの質問に「どちらともいえない」「ない」と答えた方は約5%の結果に。

Q:「どちらともいえない」または「ない」と答えた方、理由をお聞かせください。(複数回答)

「必要だと思うが、幼児期にすべきことではないと思うから」「別のことをさせたいから」「周りで特に話題になっていないから」などが挙がりました。

2020年度の必修化に向け、家庭ではこんな準備も!

幼児期からのプログラミング学習に興味を持っているパパやママは、すでに何かお子さんにさせているのでしょうか。
させていると回答していただいたかた36名の意見を、一部抜粋して紹介します。

・習い事として、プログラミング教室に通わせている
・プログラミング教室の無料体験に参加した
・家の近くの科学センターで自由にプログラミングができるブースがあり、体験した
お仕事体験ができるイベントでプログラミングに触れた。プログラミングで動かす車を、実際に命令を入力して動かしてみたりした
パソコンでプログラミングアプリを触らせている
・通っている幼稚園でこの春からプログラミング課外教室が始まるので体験した

もしお子さんに興味があれば、プログラミングのイベントや体験会に参加させてあげてもいいですね。

「幼児期から触れさせたいけど、何をしていいかわからない」「どんなことがいいの?」と考えられているパパやママ、ぜひご参考にしてみてください。

※(おまけ)幼児期から楽しめるプログラミングおもちゃのご紹介

カードでピピッと はじめてのプログラミングカー(学研ステイフル)

指示したルート通りに車が動く!

学研のニューブロックプログラミング(学研ステイフル)

ニューブロックでつくった作品を思い通りに動かしてみよう!

参照:
文部科学省『小学校プログラミング教育に関する概要資料
文部科学省『小学校プログラミング教育の手引の改訂(第二版)

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