【さあ次の学年へ】春休みに身につけたい、小学生活が楽になる“物の管理”

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【さあ次の学年へ】春休みに身につけたい、小学生活が楽になる“物の管理”

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。
早いもので、もう3月。今年度も残りわずかです。この1年間のお子さんの成長の振り返りと進級に向けての準備についてお話ししたいと思います。

目次

できた経験の一つひとつが成長につながる

子どもは入学してからの1年で、実にさまざまなことを経験し、成長しています。
まず1年間の学校生活を通して、1日のサイクル、1カ月のサイクル、学期ごとのサイクル、そして1年間のサイクルがなんとなく分かってきたことが大きな自信になっています。その上で、仲良しの友だちや好きな教科もでき、学校で飼っているウサギに会いたいなど、楽しみができたことは子どもにとっても大きな喜びです。

低学年はとくに「できた!」という感情が大切です。これが中学年になると「わかった!」、高学年だと「自分で、こうやってみたい!」という気持ちになるのが、望ましい成長です。
ですから1年生の場合、入学前には書けなかった文字が書け、読めなかった文章が読め、分からなかった計算ができた、ということだけでも成長です。体も大きくなり、顔つきも入学式の頃とは全く違う子もいます。
このように、語彙力・思考力・体力・実行力など、どれをとっても、子どもの成長や変化には著しいものがあります。

新年度の入学式では、どの学校も新2年生が、新入生に歓迎の歌や言葉を贈る催しをします。このときの2年生の顔は、いつも晴れがましく輝いています。入学式に参列した新入生の保護者は、我が子も1年たったら、こんなふうになるのだと思ったはずです。1年間でこれだけ大きくなるのですよね。

【小2への進級】学習面の変化と準備しておきたいこととは?

物の管理をしっかりやる習慣づけを

春休みは、心身ともに次の学年への進級の準備をする期間。春休み中に学習面や生活面でやっておくとよいことを、1年生を例にいくつか挙げてみましょう。
まず一つ目は物の管理を一緒にやることです。具体的には、「2年生でも引き続き使う物の手入れ・確認」と「1年生で使った物の整理」をします。
とくに1年生の子どもにとっては初めての春休み。今、物の管理をする習慣をつけると、このあとの5年間が楽になります。「はじめが肝心」です。

次の学年でも引き続き使う物の手入れ・確認

  • 筆箱の中身…鉛筆・消しゴム・定規がそろっているかを確認
  • 色鉛筆の中身…なくなっている色鉛筆の補充
  • はさみ、のり、セロハンテープ、ホチキスなどの道具の確認
  • 絵の具セットの中身…絵の具の補充・パレットや筆や筆洗をきれいに洗う
  • 体操着を確認…名前が消えていないか、ほつれているところはないかを確認し、学年や組の数字の書き換える
  • 鍵盤ハーモニカの確認…吹き口や、チューブが壊れていないか、どの鍵盤も音が出るか確認。できれば、吹き口をはずして唾液が流れる部分を水洗いして立てかけて乾燥させると、雑菌が流れて清潔になります

1年間で使った物の整理

  • 教科書の整理…処分や保存など家庭ごとに行います
  • ノートの整理…学校によって違います。次の学年になっても引き続き使うこともあれば、新学期に新たにノートを用意することもあります。3月末の学校の指示を待ってください
  • 図工の作品や学習ファイル…家庭によって違いますが、処分するのは基本的に子どもではないので、子どもと話し合って、残しておくもの、写真だけで残しておくものを一緒に決めるなどすれば、この1年間を親子で振り返るチャンスにもなります。

学ぶために必要な、意欲や忍耐力を育てる機会に

物の管理がしっかりできれば、進級の準備は8割方終えたと言っていいでしょう。
なぜなら、「可視化」と言って、子どもは、自分の成長を目で見ることで実感できるようになるからです。「成長」というのは抽象的なものですが、子どもは具体的なものでそれを実感します。

あとは、ちょっと長い物語の本を読むなどして読書の習慣をつけたり、春休み中は、ついだらけてしまいがちなので、あえて運動(散歩や公園での遊びでも)やお手伝いを日課に取り入れ、規則正しいサイクルで一日を過ごしたりするとよいでしょう。
よく春休みに、予習と称してドリルなどをどんどんさせてしまうこともあるようですが、もう少し長い目で見ることも必要です。春休みは「学ぶ」ために必要な、意欲や忍耐力をつけることを意識されてみてはどうでしょうか。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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