楽しい夏を過ごすためには宿題で思い悩むことなく、夏の思い出づくりができるといいですよね。
初めて夏休みを迎える1年生はもちろん、高学年になっても自由研究で何を選ぶかは、迷うのではないでしょうか。
自由研究のテーマ選び、事前準備、取り組み方、サポートの方法など、おうちのかたが子どもにどう寄り添い、何をすればよいのかについて、具体例を挙げて提案します。
文/マムズラボ
もう悩まない! 夏休みの「自由研究」今年はどうする!?
下のグラフは2021年の夏、株式会社イオレが行った「小学生の親1300人に聞いた、夏休みの宿題アンケート」の結果です。自由研究は、おうちのかたが手伝うことが多いにもかかわらず、つい後回しにして最後まで残りがち。サポートの仕方にも頭を悩ませるご家庭が多いのではないでしょうか。
夏休みの宿題で親が手伝うことが多いものと、最後まで残りがちなもののトップに、自由研究がきています。小学生の自由研究は、おうちのかたが子どもを手伝いながら作り上げているご家庭も多いようです。
自由研究のテーマ、どう決めたらいい?
自由研究のテーマはどうやって決めたらいいでしょうか。
下のグラフが示すように、テーマ自体は子どもが決めるという割合が最も高いことがわかります。
とはいえ、自由研究はテーマを決める段階からおうちのかたがサポートすることも多いようです。決めるまでには、おうちのかたや周り人たちの情報提供が欠かせないものとなるのではないでしょうか。
グラフからは、自由研究のテーマの入手先は、インターネットが最も多いことがわかります。このほか、家族や友人からの情報や、本を頼りにテーマ探しをしているようです。
子どもの素朴な疑問「なぜ?どうして?」をテーマにする
自由研究のテーマを決めるのには、毎年苦労しているというご家庭も多いかもしれませんね。そこで、身近なことからテーマを見つけていくちょっとしたコツをお伝えします。
お子さんとの日常会話の中で「なぜ?どうして?」といったやりとりをしたことはありませんか?
「台風と大雨はどう違うの?」「どうして血は赤いの?」「カイワレ大根の芽が出た。大根でも出る?」「セミの抜け殻が、たくさん見つかる場所は?」など、子どもの日常は不思議であふれています。
お子さんが日常的に疑問や興味をもったことを記録しておき、自由研究のテーマ選びの際に活用することをお勧めします。
必要なのはリサーチと下準備
自由研究のテーマ決めで一番肝心なのは「おうちのかたのリサーチ力」です。お子さんが「ねえねえ、聞いて」と好きな物事について熱心に語りかけてくることはありませんか? そういうときこそがテーマ選びのチャンスです。おうちのかたが「今、これが好きなの?」「どういうところが好き?」「どうして気になったのかな?」などと質問することを習慣化していると、テーマの絞り込みが楽になります。
自由研究には、大きく分けて次の4種類のテーマがあります。
(1)科学実験
・ペットボトルロケット、レモン電池などの実験
(2)観察・環境調査
・動植物や魚、昆虫などの観察日記
(3)社会・調べ学習
・好きなアニメやゲームのキャラクターの職業を詳しく調べて紹介
(4)工作・フリーアート
・電車や車などの乗りものが好きなら車体のイラスト解説
・恐竜や怪獣が好きなら、ジオラマ付きミニ図鑑の製作
・料理やお菓子好きならレシピの試作レポート
・再生可能な資源(ペットボトル・新聞紙・ダンボール・プラスチックトレー)を利用した工作やアート作品
子どもによって興味関心の対象はいろいろ。どんな事柄でも自然科学や社会につながっています。「好き」を追究する自由研究なら、お子さんのやる気もアップするに違いありません。
筆者の家庭では「自由研究のネタフォルダ」を用意しています。子どもの好きそうな面白い情報や、自由研究のヒントになりそうな記事を見つけたら、切り取ってフォルダにポンポン放り込んでおくだけです。毎年、子どもと一緒にフォルダの中からテーマを選んで取り組んでいます。
このように、ふだんから子どもの興味・関心の対象をつかんでおくと、自由研究のテーマ探しも負担にはなりません。新聞や雑誌、ネット記事で「これは自由研究のヒントになるな」と思ったものをピックアップして保存しておくのも一つの方法です。
サイトや店頭でテーマを探す
図書館や書店では、夏休み前になると自由研究のヒント本コーナーを設けてあるところもあります。ショッピングモールの文具売り場などでは、自由研究キットを販売しているところも。一度、お子さんと一緒にのぞいてみるのもおすすめです。
自由研究のヒントになるサイト
自由研究のテーマを決める際には、学研キッズネット「夏休み!自由研究プロジェクト」のサイトを参考にしてみてはいかがでしょうか。まざまな自由研究を、テーマや学年別に掲載しています。
自由研究のテーマを探す性格診断もあり、お子さんにぴったりの自由研究を見つける手がかりになるでしょう。
自由研究の助けになるキット
「キットの使用は禁止」の学校もありますが、そうでない場合、自由研究に特化したキットは強い味方。特に「夏休みがあと数日しかない」という場合には、キットの活用がおすすめです。
自由研究おたすけキット(学研プラス)
実験用の器具や材料のキットと、実験方法や手順をくわしく紹介したガイドブック、自由研究のまとめ方の実例レポートがついたセットです。
ねんどで作るボトルランプ(学校教材クラフト品のトーヨー教材)
ねんどで作るボトルランプ(学校教材クラフト品のトーヨー教材)
ペットボトルやガラスビンなどと粘土でオリジナルのランプを作るキットです。男の子でも女の子でも楽しんで作ることができます。
ペーパークラフトマスターへの道(キヤノン)
「キヤノン ペーパークラフトマスターへの道」のサイトにはペパークラフトが多数掲載されています。年齢・性別を問わず、低学年のお子さんでも遊び感覚で楽しく制作ができそうです。
お手軽、初心者、修行中、一人前、名人、達人の6つに難易度が分かれています。
印刷するだけで簡単にできるものから、難易度の高い作品にも挑戦できます。
テーマが決まったらいよいよ研究に着手
何をテーマにするかが決まれば、あとはスムーズです。具体的な取り組み方は、おうちのかたがアドバイスやサポートをしてあげましょう。
<自由研究4つのステップ>
- 資料や材料を用意する
- 実験と観察を行う
- 集めたデータを整理する
- 結果とわかったことをまとめる
この4つのステップを、お子さんに寄り添いながら進めていきます。
1. 資料や材料を用意する
実験は失敗することもあります。必要な材料は、何度かやり直しても大丈夫なように少し余分に用意しておくとよいでしょう。
2. 実験と観察を行う
用意した道具や資料をもとに実験や観察を行います。実験や観察を行ったら様子の変化について文章で説明するだけではなく、写真に撮ったり、イラストを描いたりして提示します。日付や時間などの記録漏れがないか保護者がチェックしてサポートしましょう。
3. 集めたデータを整理する
実験や観察で集めたデータを整理します。データはグラフや表にするとわかりやすいのでおすすめです。写真はプリントアウトして時系列ごとに並べ、イラストも見直します。
4. 結果とわかったことをまとめる
調べた結果は、わかりやすく記録します。まとめる際に、大きくて見やすい模造紙やスケッチブックがおすすめ。観察記録は、絵日記ノートなどを活用するといいでしょう。低学年のお子さんは1人でイラストや文章にまとめるのは難しいものです。写真などで記録をこまめに取っておき、構成やレイアウトを一緒に考えてあげましょう。
「ねえねえ聞いて」「わかった!」喜びを記録しよう
実験や観察のデータのまとめができて、おおよそのレイアウトがまとまったら書いていきます。
以下の順で書くのがおすすめです。
- タイトル
- きっかけ
- 目的
- 結果の予想
- 方法
- 使った道具や資料
- 結果
- まとめ、わかったこと
テーマを決めたきっかけや調査に使った本やウェブサイトを書き、実験をした場合には予想と結果を比べて書きます。最後に必ず「まとめ」「わかったこと」を書くようにしましょう。親子で振り返りをすることで、自由研究で得た知識や経験がより深く身につきます。同時に夏休みのよい思い出にもなるでしょう。
自由研究を単なるやっつけ作業に終わらせない
自由研究を、夏休みの終わりが迫ってからの単なるやっつけ作業で終わらせず、お子さんと一緒に「好き」を追求する時間にするための方法をご提案しました。テーマが決まっておらず自由度が高いからこそ、アイデアと工夫次第で楽しめます。お子さんが「知る喜び」を体感するよい機会にしたいですね。
<出典>
「株式会社イオレらくらく連絡網調べ」
小学生の親1300人に聞いた、夏休みの宿題アンケートを公開 今年の宿題、どう進める?難関は“読書感想文”と“自由研究”!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000030850.html
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