お正月のおせち(お節)料理は、それぞれが意味を持つ料理を重箱に詰めていただくおめでたい料理です。しかし近年では本格的なおせち料理ではなく、家族の好みのお正月料理を選んで盛りつける「おせちプレート」が注目を浴びています。
そこで本記事では、おせちプレートについて詳しくご紹介します。先輩ママたちが盛りつけた例などもInstagramからご紹介するので、参考にしてみてくださいね。
文/マムズラボ
おせちを手軽にいただける「おせちプレート」とは?
「おせちプレート」は、好みのおせち料理やお正月らしい料理を少しずつ盛りつけ、ひとり分のワンプレートにしたものを指します。伝統的な定番のおせち料理をすべて用意するわけではなく、重箱も使いません。お重を用いたおせちの準備は難しくても、伝統食として子どもにおせち料理を食べさせたいと考えている方にオススメです。
おせちプレートは子どもが食べられるものや、家族が好きな料理を中心に盛りつけるスタイルなので、食べきりやすいのがポイントです。伝統的なおせちのお重に比べて用意する料理も少なく、食品ロスの心配が減るのもうれしいですね。近年では、家庭内での感染症対策の意味合いも含めて広まっているようです。
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子どもでも食べやすい、おせちプレートにオススメの料理は?
子どもでも食べやすいおせち料理と、それぞれの由来をご紹介します。おせち料理に用いられるようになった意味なども知ると伝統的な食文化への理解が深まり、子どもの食育にも効果が期待できます。また、スーパーでは年末にかけてさまざまな種類のおせち料理が販売されるので、ぜひいろいろな料理を試してみてくださいね。
ただしおせち料理には、食物アレルギーを引き起こす原因となる食材が使用されていることもあります。あらかじめ注意してください。
伊達巻
たまごや魚のすり身を使った伊達巻は、食感が柔らかく甘みがあります。普段のたまご料理に近いため、子どもでも食べやすいメニューのひとつです。伊達巻を成形するときには巻きす(鬼すだれ)を使います。
伊達巻の由来
伊達巻の由来には複数あり、一般的なたまご焼きと比べて色合いやかたちが華やかなことを由来とする説や、江戸時代のころにお洒落なものを意味していた”伊達もの”を由来とする説、”伊達もの”が着ていた着物の柄に似ていたことを由来とする説、和装に使われる帯のひとつ”伊達巻”に似ていることなどがあります。
また、かつて重要な書物や学習に使う書物を巻物にしていたことから、“知識が豊富になるように”という願いが込められています。
黒豆
黒豆(黒大豆、ぶどう豆)を砂糖で柔らかく煮詰めたものです。邪気を払うといわれる黒にちなんでおり、乾燥させた豆を水で戻すときにさびた釘や市販の鉄玉をガーゼに包んだものや、食用の鉄である還元鉄をいっしょに入れることで、きれいな黒になるといわれています。煮るときに南部鉄器の鍋を使う方法もあります。
黒豆の由来
豆はもともと健康や長寿など“無病息災”の願いが込められた食材です。その中でも黒豆は「まめに働きまめに暮らせるように」という望みをかけられています。また、しわがなく、つややかでふっくらとした黒豆に“不老長寿”をかけることもあるそうです。
栗きんとん
裏ごしして甘く味付けしたさつまいもと栗の甘露煮を合わせた栗きんとんは、スイーツのような甘みが特徴です。口当たりもよく食べやすいので、子どもにも人気があるおせち料理です。
栗きんとんの由来
栗きんとんは、かつて戦へ向かう武士が、出陣の際に勝利の縁起をかつぐときの作法として「勝ち栗」を用いたことから縁起ものとして扱われています。色も宝をほうふつとさせる華やかな黄金色なので、“金運上昇”や“豊かさ”の願いも込められています。
いくら
もともといくらは、伝統的なおせち料理ではありませんでした。ただ、縁起が良いものであることやおせち料理の彩りをよくするために、近年おせち料理に入ることが増えたといわれています。
いくらの由来
サケやマスのたまごであるいくらには、“子宝にめぐまれること”や“子孫繁栄”の願いが込められているといわれています。また、赤い色が紅白の紅につながることから、めでたさや華やかさの表れとして用いられることもあるそうです。
盛りつけの参考に! 先輩ママによるおせちプレートのお手本3選
さまざまな料理を盛りつけたおせちプレートの例を、Instagramの投稿からご紹介します。
その年の干支に合わせたおせち作りにチャレンジしてみてくださいね。
飾り切りやデコレーションを使ったミニチュアおせちプレート
「ひーと*キャラ弁お弁当*こどもごはん」さんのInstagramより(@heart1016a)
https://www.instagram.com/p/CXgP678PvBA/
練り物をアレンジして作ったミニチュアのお正月モチーフをちりばめた、かわいらしいおせちプレートです。伊達巻は2022年の干支であるトラに見立てて、カットした海苔、くり抜いたかまぼこ、黒ゴマで飾っています。
お雑煮をモチーフにした小鉢は、はんぺんをすり潰して丸めて茹でたはんぺん団子を重ねて鏡もちに見立て、人参を小さくカットしたものをみかん風に飾ったのだそう。かまぼこを立方体にカットし、枡(ます)のかたちにくりぬいたものに黒豆を詰めたり、鯛の小皿にのせたかまぼこは飾り切りでまとめたりと細部までこだわりが行き届いており、食べるのがもったいないくらいおしゃれな仕上がりに。
また、黒いお皿を使うことで全体の色合いが引き締まり、高級感がプラスされています。練りものは子どもにも食べやすい食材なので、子どもの食も進みそうなおせちプレートですね。
干支おにぎり+小鉢づかいがおしゃれなおせちプレート
「𝑟𝑖𝑟𝑖」さんのInstagramより(@riri__118)
https://www.instagram.com/p/CJlGJfFgkLB/
2021年の干支の牛おにぎりと、おせち料理をまとめたプレートです。切り抜いたチーズやハム、海苔でかわいく作られたおにぎりのお皿には、ひと口サイズにカットした数の子が添えられています。
大きなサイズのお皿には、黒豆や栗きんとんの小鉢と、紅白なますが入ったゆずの器が盛りつけられ、華やかなプレートに。がめ煮(筑前煮)、焼き豚のほか、あしらいに使われている南天の葉もお正月らしさを引き立てていますね。
栗きんとんや焼き豚には和風テイストにデザインされた食品用ピックが刺されています。紅白の梅の小皿も、おしゃれなエッセンスをプラスしており真似したいアイデアですね。
干支おにぎり+市販のおせち料理を組み合わせたワンプレートおせち
「Marika」さんのInstagramより(@ren.yu_mam)
https://www.instagram.com/p/CelKZ34lySo/
2021年の干支の牛をモチーフにしたおにぎりが主役のワンプレートおせちです。牛おにぎりは白ごはんで作った顔に、ケチャップを少し混ぜて色をつけたご飯を小さく握って作った鼻を付け、切り抜いた海苔で表情をつけています。
Marikaさんの家族にはアレルギーをお持ちのかたがいるため、みんなが食べられるおせち料理を選び、市販のものも取り入れながら盛りつけたそうです。キャラクターの顔や“迎春”の文字が入ったかまぼこやベーシックな伊達巻のほか、うさぎのかたちに仕立てた紅白かまぼこ、お花のかたちにカットして煮た人参、おかずカップに入った黒豆で、お正月にふさわしいプレートになっていますね。
子どもが喜ぶおせちプレートで、お正月ごはんを楽しもう!
お正月らしさを感じるおせち料理を用意することは、子どもの食育の面でも、思い出づくりの面でも大事にしたいものです。とはいえ忙しい保護者の負担になり過ぎないことも大切。家族一人ひとりが好きな料理を選んでまとめたおせちプレートは、伝統と手軽さのバランスがとりやすいので、ぜひ、挑戦してみてくださいね。
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