夜空に光の軌跡を描いて動く流星を見たことがあるでしょうか。
普段流星は、いつ見られるかわかりませんが、1年のうちに何回か、たくさんの流星―流星群が見られる時期があります。夏休みにも流星群が出現する時期があるので、子どもといっしょに観察してみるとよいでしょう。学校の自由研究のテーマにもなり、お子さんが宇宙や天体に興味を持つきっかけになるかもしれません。
文/こそだてまっぷ編集部
流星と流星群
流星の正体は小さなちり
流れ星とも呼ばれる流星ですが、夜空に見える星が動くわけではありません。宇宙空間にある直径1mm~数cmほどのちりが地球の大気に飛び込み、大気と衝突する際に、高温になり光を放つのです。このとき、ほとんどのちりはガスになってなくなってしまいますが、大きいものは地表まで落ちてくることがあります。これが「いん石」です。
流星の光が見える時間は、だいたい数秒です。よく「流れ星が見えているうちに願いごとを3回言うと、その願いがかなう」といいますが、ちょっと難しいかもしれませんね。
流星群って何?
毎年ほぼ決まった時期にたくさんの流星が見える天文現象が、流星群です。
流星群の流星は、ある1点から飛び出してくるように見えます。その点を放射点といい、放射点がある星座の名前をとって、「しし座流星群」、「ペルセウス座流星群」といったように呼ばれます。
1年のうちにはいくつもの流星群が見られますが、中でも多くの流星が見られる3つの流星群を「三大流星群」と呼びます。12月28日~翌年1月12日ごろの「しぶんぎ座流星群」、7月17日~8月24日ごろの「ペルセウス座流星群」、12月4日~12月17日ごろの「ふたご座流星群」が三大流星群です。
なお、流星群の中でも1時間に1000個以上もの流星が見られるものを「流星雨」と呼ぶことがあります。最近では、2001年11月18日夜から翌日の19日未明にかけて「しし座流星群」が出現したときに、「流星雨」と呼べるほど多くの流星が見られました。
流星群が見られるわけ
太陽の周りを回る「彗星」
毎年決まった時期に流星群が見られるのはなぜでしょうか。
地球は、1年かけて太陽の周りを回っています。地球が動いていくときに、ちりが多く集まる場所を通ると、そのちりがまとまって大気に飛び込んできます。これが流星群として観察できるのです。
決まった場所にちりが集まるのは、そこが「彗星」の通り道だからです。
彗星とは太陽の周りを細長い軌道で回っている天体で、その正体は氷とガスとちりのかたまりだと考えられています。
有名な「ハレー彗星」も彗星のひとつです。彗星というと、長い尾を引いているイメージがあるのではないでしょうか。彗星が太陽に近づくと、太陽の熱のために彗星の表面が蒸発してちりのジェットを噴き出します。それが尾として見えるのです。
流星群のもとは彗星のちり
彗星は太陽に近いところでちりを噴き出し、その軌道上にはたくさんのちりが帯のように連なっています。そこを地球が通るときに、流星群が見られるというわけです。つまり、地球の通り道と彗星の通り道が交わるところが、流星群が見られる場所なのです。したがって、流星群のもとは彗星のちりであるといえます。
ちなみに、4~5月に見える「みずがめ座η(エータ)流星群」と、10~11月に見える「オリオン座流星群」のちりは、「ハレー彗星」がもとになったものであることがわかっています。
流星群の観察のしかた
観察に適した時間帯は?
7月から8月にかけての「ペルセウス座流星群」は、夏休みの天体観察にぴったりです。流星がよく見えそうな時間帯を選んで観察してみましょう。
流星群の活動は、だんだん活発になって最もさかんな時期(極大)を迎え、だんだんおさまっていきます。流星群を観察する場合、極大の前後の時間帯を選ぶとよいのですが、昼間は流星が見えず、放射点が低い位置にあるときもほとんど見えないので、その時間帯はさけたほうがよいでしょう。
極大の時刻に近く、放射点が高い場所にあるころが適しているといえます。
観察の方法は?
人工の明かりが少なく、できるだけ暗い場所で、空が広く見渡せる場所を選びましょう。ずっと空を見上げていると首が痛くなるので、レジャーシートなどを敷き、寝転んで観察すると楽です。ただし、絶対に自動車などが来ない場所を選んでください。
流星群の放射点は、あらかじめ天文台のホームページなどで調べておき、現地では星座早見盤を見て探すとよいでしょう。
暗い場所に15分ほどいると目が慣れてきて、流星を見つけやすくなります。流星は放射点の近くに限らず、空の広い範囲で見られるので、できるだけ空全体を見るようにします。双眼鏡や望遠鏡は視野がたいへんせまいので、流星群の観察には適しません。
流星群を自由研究のテーマに!
流星群の観察を自由研究のテーマにするなら、時計とボイスレコーダーを用意し、流星が見えた時刻、動いた方角、おおよその明るさ(とても明るい、明るい、やや暗いなど)を声で録音します。
あとで、見えた流星の数を1時間ごとにグラフにするなどしてまとめるとよいでしょう。ノートなどに記録する場合は、赤セロハンをかぶせた懐中電灯を用意し、明かりが観察のさまたげにならないようにしましょう。
ペルセウス座流星群を観察しよう
2022年の「ペルセウス座流星群」は、8月13日10時ごろが極大なので、観察に向いているのは8月11日の夜から13日の夜までです。最も多く流星が見られるのは、13日の夜明け近くと予想されています。
ただし、12日が満月のため、この時期はひと晩じゅう月明かりがあり、条件がよいとはいえません。それでも月明かりに負けないくらい明るい流星が見えることもあります。ぜひ大人も子どもも真夏の天体ショーを楽しんでください。
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