【重いランドセルに注意】3人に1人がランドセル症候群の可能性あり

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【重いランドセルに注意】3人に1人がランドセル症候群の可能性あり

やっと手にした自分だけのランドセル。
憧れのお兄さんやお姉さんのように、颯爽と登下校する姿をイメージしていたのに、いざ小学校生活が始まると、ランドセルが重たくて登下校だけでヘトヘトに……。
ランドセルの重さが原因で、身体だけでなく心にも悪い影響を及ぼすことを「ランドセル症候群」と呼びます。
重たいランドセルに、お子さんの身体が悲鳴を上げていませんか。

文/マムズラボ

目次

ランドセル症候群とは?

ランドセル症候群とは?

「ランドセル症候群」とは、自分の身体に合っていない重さのランドセルを長時間背負って登下校することで、さまざまな心身の不調が起こることです。
具体的な症状としては、筋肉痛や肩こり、腰痛などの身体の痛みが挙げられます。
さらに、登下校がつらいため「学校に行きたくない」と精神的な苦痛を感じてしまうお子さんもいるのが現状です。

3人に1人がランドセル症候群の可能性あり

下の図は、フットマーク株式会社が全国の小学1-3年生1200名に、ランドセルの重さについてアンケートを実施した結果です。

あなたのお子様は、通学時にランドセルが重いと感じていますか?
画像引用元:フットマーク株式会社「ランドセルの重さに関する意識調査」

画像引用元:フットマーク株式会社「ランドセルの重さに関する意識調査」

この調査によると、90.5%の子どもが「ランドセルが重たい」と感じています。
また、3人に1人が身体の痛みを訴えており、同じく3人に1人がランドセルの重さが原因で「学校に行きたくないと思ったことがある」と回答しています。

児童の荷物の重さは「体重の10%」が推奨されている

児童の荷物の重さは「体重の10%」が推奨されている

それでは、荷物の重さがどれくらいになると「ランドセル症候群」のリスクがあるのでしょうか?
アメリカの研究によると、児童が背負う荷物の重さは体重の10%以下が推奨されています。小学1年生の平均体重は約21㎏ですので、荷物の重さは2.1㎏程度までが妥当です。
しかし、一般的なランドセルの重さだけで1kg~1.5㎏ほどあり、そこに教科書やタブレット端末、水筒、体操着などが加わると2.1㎏は簡単にオーバーしてしまうのではないでしょうか。

ランドセルの重さ、実際は何キロ?

実際のところ、小学生は毎日どれくらいの重さの荷物を背負っているのでしょうか?
小学校に通う子どもがいる編集部員2人が、それぞれの子どものランドセルの重さを計測してみました。
推奨されている荷物の重さである「体重の10%以下」を守れているのか調べるために、体重も測定します。

1人目: 小学1年生、女子、置き勉あり

小学1年生女子の荷物は以下の通りでした。

  • ランドセル 1.4㎏
  • 教科書や給食セット 1.6kg
  • 水筒 1㎏

全ての荷物の重さを合計すると、4kgになりました。
体重19.5㎏の娘は、体重の約20%の荷物を背負って登下校していることになります。
推奨される重さは体重の10%、つまり1.95㎏ですので、2㎏以上のオーバーです。

まだ入学したばかりで、タブレット端末の持ち帰りは始まっていませんが、近いうちに始まるそうなので、さらに重くなることが予測されます。

2人目:小学5年生、男子、置き勉あり

小学5年生男子の荷物は以下の通りです。

  • ランドセル 1.1㎏
  • 教科書や給食セット 2.5㎏
  • タブレット 1.1kg
  • 水筒 0.7㎏

荷物の重さは合計で5.4kgになりました。
体重が27.8kgなので、こちらも体重の約19%の重さです。
推奨される重さの約2倍となっていて、身体への負担が大きいことがわかります。

どちらのケースも、推奨されている重さを大幅に超過していて、ランドセル症候群を発症するリスクが高いと言えるでしょう。

子どもの荷物はどんどん重くなっている

ランドセルは素材や背当て、肩ベルトなどが改良されどんどん軽量化されていますが、その一方で、教科書は重さを増しています。
下の図は、一般社団法人教科書協会「令和3年度教科書発行の現状と課題」より、教科書のページ数の推移についてまとめたものです。

教科書のページ数の推移
画像引用:一般社団法人教科書協会「令和3年度教科書発行の現状と課題」

この表によると、教科書のページ数は、平成17年度と比較して約175%も増加しています。
以前はB5サイズだった教科書はA4サイズが一般的に。また、紙質がよくなり、カラーページも増えました。英語や道徳など教科の増加とともに、教科書の数も増加しています。
さらに、タブレット端末などの持ち帰りが必要になり、子どもたちの負担は増えています。

自治体や学校の先進的な取り組み

自治体や学校の先進的な取り組み

文科省は、2018年に「児童生徒の携行品に係る配慮について」で、教科書や道具類などの荷物を学校に置いておく、いわゆる「置き勉」を推奨する通知を出しました。
保護者からの要望もあり、教科書を置いて帰ることを許可する学校が増えています。
図工や音楽など、宿題で使用しない教科書は毎日持ち帰らず、学校に置いておくことを認める動きが進む中、学校側の管理体制や、子どもへの周知をどのようにして行うかなどの対策が必要です。
筆者の娘が通う小学校では、国語と算数だけは毎日持ち帰るように指導されています。
それ以外の教科は、学校の各自のロッカーに置くものと、先生が預かるものに分けられているようです。

通学リュックやデジタル教科書の導入

ランドセルではなく、軽くて丈夫な通学リュックを推奨する動きも見られます。北海道や京都、滋賀など一部の自治体では通学リュックを採用しています。

さらに、デジタル教科書の導入が、ランドセル症候群を改善する可能性も。
複数の教科書をタブレット1台にまとめることができれば、教科書の持ち帰りが不要になり、登下校の負担が減るだけではなく、忘れ物を防止する効果も期待できます。

ランドセルの正しい背負い方を確認しよう

ランドセルの正しい背負い方を確認しよう

荷物を減らすことももちろん大切ですが、ランドセルの正しい背負い方をすることで、体の痛みを軽減することができます。ランドセルの背負い方を親子で確認してみましょう。
背中とランドセルの間にすき間ができると、後ろに引っ張られて姿勢が崩れ、身体の痛みの原因に。ぴったりくっつくように背負うと負荷が分散されます。
重い荷物は背中側に入れるようにすると、ふらつきがおさえられますので、お子さんと一緒に準備しながらアドバイスしてあげてください。
服装や成長に合わせて、こまめに肩ベルトを調整することも忘れずに。

これからランドセルを選ぶ予定のあるご家庭では、デザインだけではなく重さやクッション性にも注目してみてください。
実際に背負ってみて、背あてや肩ベルト、背カンが身体にフィットするものを選ぶと安心です。

編集部員の小学1年生の娘も、登校初日の感想は「肩が痛い」「重たくて疲れた」でした。
片道20分、勾配のある道を毎日歩いて登下校する姿に、後から支えてあげたいと思ったことが何度もありました。
入学から1か月が経過し、親子ともどもようやく慣れてきましたが、それでも下校中に出会うと、「ランドセル持って」と甘えてくることも。汗ばむ季節になると、熱中症なども心配です。

お子さんの「行ってきます」と「ただいま」の声が元気だと安心しますね。
足取り軽く、楽しく学校に通えるようにサポートしていきましょう。

<出典>
株式会社フットワーク「ランドセル症候群」 
https://www.rakusack.jp/feature01/
一般社団法人教科書協会「令和3年度教科書発行の現状と課題」
http://www.textbook.or.jp/publications/data/21tb_issue.pdf
文科省 児童生徒の携行品に係る配慮について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/keikohin/__icsFiles/afieldfile/2018/09/06/1408967_001_1.pdf
発行 2018年9月6日

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